【ギャラリートーク】小池英文「THE DELTA ガンジスの海・聖なる島」 スペシャルゲスト 風の旅人編集長 佐伯 剛氏
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- Опубликовано: 31 окт 2024
- 2024年9月14日にOM SYSTEM GALLERYにて開催されたギャラリートークの様子を配信します。スペシャルゲストとして、グラフィックマガジン「風の旅人」を創刊され、ご自身でもピンホール写真と言葉によって表現する「古代のコスモロジー」のプロジェクトを継続されていらっしゃいます、佐伯 剛氏をお迎えしてのギャラリートークです。最後までお楽しみください。
Website:
note.jp.omsyst...
写真展開催期間:
2024年9月12日(木)~ 9月23日(月)10:00 〜 18:00 最終日 15:00 まで
入場無料 ※休館日9月17日(火)・18日(水)
写真展案内:
インドのガンジス川の下流域には、広大なデルタが広がっています。
その南端に浮かぶガンガサガール島を訪ねて25年が過ぎました。
島は聖なるガンジス川が海と出会う場所として、古来より人々の信仰を集めてきました。打ち寄せる波に身を投げ出し、歓喜の声を上げて海に祈りを捧げる人々の姿は、まるで海に生まれた生命の記憶が呼び覚まされてゆくような、とても美しい情景でした。
一方、訪問を重ねるたびに見えてきた風景もありました。
それは島の海岸線に刻まれた天災の爪痕です。
サイクロンの通り道にあたるこの地域は、高潮によりこれまで多くの犠牲者を出してきました。それでも島に暮らす人々は、自然に打ち勝とうとは考えてこなかったといいます。彼らの自然に対する考え方は、恐ろしいから大事にする、というものです。自然にいたずらに抗うのではなく、それを神格化することで巧みに価値転換をはかってゆく。たとえば海に飲まれて命を落としたとしても、「母なるガンジス」に還ってゆくのだから幸せなことだ、とその死を人生最大の至福へと昇華させてゆきます。おそらく彼らの胸の内には、自分たちの生命も自然界の一部だという意識が、今もしっかりと息づいているのかもしれません。
堅牢な防潮堤で自然と一線を画すのではなく、生死を内包する大きな自然観によって心の安寧を保つ人々。熱帯デルタに生きる人々の姿を通して、人と自然との関係性をもう一度問い直してみたいと思います。
作品点数 55点